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- 『ラブ・イズ・ブラインドJAPAN』#1:壁越しの恋〜いちばん好き〜
藤井隆と板谷由夏に本気度を感じる
いろいろな恋愛リアリティー番組を見てきましたが、その中でも特に好きなのが、『ラブ・イズ・ブラインドJAPAN』です。
2020年にアメリカで配信されると同時に大反響を呼び、同国のいろんな賞を取ったりした婚活番組、の、日本版。昨年2月からNetflixで配信され現在も全話視聴できます。最初はそこまで興味がなく、流し見していたのですが、回を重ねるにつれて、どんどん引き込まれていき、最後は本当に感動してしまいました。
一番素晴らしい点は、なんといってもスタジオMCが藤井隆と板谷由夏という点。旬の芸人やYouTuberではなく、ベテランマルチタレントとベテラン女優を配置するところに、この番組の本気度を感じる。「ちゃかすのではない、見守るのだ」。そんなメッセージが聞こえてきませんか?
『ラブ・イズ・ブラインド』は、外見ではなく、心の繋がりだけで結婚相手を見つけるというルールの元で進んでいきます。そのため、お互いの姿を見ることはできません。男女がコミュニケーションを取れるのは「PODs(ポッド)」と呼ばれる個室のみ。壁の向こうから聞こえてくる声だけを頼りに、心の繋がりを深めていきます。その後、プロポーズ、交際期間を経て、結婚へと進むのです。
果たして人はルックスを見ずに、異性として好きになれるのか? という非常に実験的な番組です。
最初にこのルールを聞いたとき、面白いのはポッド内でのやり取りだけだろうなと思いました。お互いの顔が見えたあとは蛇足だろうと。私と同じように感じている人も少なくないと思います。ところが違うんですね。ポッドを出たあとからも畳み掛けるように面白いから、途中で離脱しちゃった人もぜひ最後まで見てほしい。
私はすでに最後まで見ていますが、まるで初見のごとく一話目から振り返ってみたいと思います。
声が苦手でも気持ちは変わる
一話目でスポットが当たるカップルは、オダッチ&ナナコ、ワタル&ミドリ、モトミ&リョウタロウの3組です。
長崎出身の芸人・オダッチ(31)は、巧みな話術と明るい笑い声で、女性陣から人気。元バレエ講師のナナコ(35)もその一人でした。
教員免許を持っているオダッチとバレエ講師のナナコさん、「人に教えるとは?」というわりと真面目な話で盛り上がります。手応えを感じるナナコさん。
ところが対するオダッチは、「ナナコさんは恋愛対象にはなりえない」と断言。話が盛り上がっていたと思ったけれど、「もう一度話そうとは思わなかった」と全然刺さってなかった様子。とどめに「(ナナコさんの)声がしっくり来なかった」と言われると、もうどうしようもないですね。
しかし、そんなことはつゆ知らずのナナコさんは、再びポッドでアタック。「オダッチと話したときが、最高潮に面白かった」と伝えます。
自分の家族があまり仲が良くなかったこともあり、だからこそ仲の良い家族に憧れると真剣に話すナナコさん。
そんなナナコさんの話を聞いたオダッチ。あんなに「ない」と言ってたのに、どういうわけか「ナナコさんを元気にしてあげたい」とコロっと気持ちが変わるのです。このことから、たとえ声がしっくりこなくても、話している内容によっては巻き返せるということがわかりました。
ひとりでサンフランシスコになってない?
さて、次にスポットが合ったのはワタルさん&ミドリさん。
ビジネスプランナーのミドリさん(30)は、しっかり者のクールビューティー。ポッドで話した男性をチャート化して分析する頭脳派です。しかしそういう効率を求めるところが、自分の短所でもあると話します。なんとなく青山とかで買い物してそう。
そんな意識の高さはポッドでも発揮され、マッチングした男性に対しても延々と上から目線。元海上自衛隊のくだらない下ネタに失笑で返すなど、ちょっと嫌な感じ。
そんなミドリさんがマッチングしたのが、ワタルさん(38)。ワタルさんは、人気企業の役員を務める港区男性です。
学生時代をアメリカで過ごしたという共通点を見つけたミドリさんは、ワタルさんに興味津々。アッパーな経歴も含めて、価値観が合う男性だと感じます。
ワタルさんもミドリさんの扱いが上手く、「休みの日は犬の散歩をして、ジムに行って体を鍛えて……」というミドリさんに対し、「ひとりでサンフランシスコになってない?」と、視聴者の気持ちを代弁してくれました。ありがとう。
「うざくない? そういう女」と、ミドリさんもちゃんとウザいことを自覚して認めているところが可愛い。
ワタルさんに好意を抱いだミドリさんは、ポッドで会うたびに、ワタルさんにアプローチします。が、思うような反応が返ってこない。「自分だけ盛り上がっている」と不安になるミドリさん。
というのもワタルさんは、美貌の起業家プリアさん(27)のことも気になっているのでした。流暢な英語で会話する二人は息もピッタリ。
唐突に離婚歴を告白するワタルさん。3年前ほどに離婚したそうです。しかし、ステレオタイプな夫婦関係は求めていないというプリアさんは、結婚歴も気にしないと回答。プリアさんの考え方や物の見方に、ワタルさんは惹かれていきます。
楽しそうに女性ラウンジに戻ってくるプリアさんを見て、ミドリさんは気が気でない。ゴージャスなプリアさんとクールなミドリさん。見た目も雰囲気も対照的な二人です。果たしてワタルさんはどちらを選ぶのか。
広告営業のモトミさん(27)は、完全見た目重視と豪語。だからこそ番組に参加したのだとか。
そんなモトミさんとマッチングしたのは、会社経営者のアツシさん(42)。グイグイくるアツシさんに、満更でもないモトミさん。しかし、アツシさんは「キッチンは女性の聖域」と言っちゃう旧タイプの男性です。「(モトミさんが)自分で料理してホームパーティーをすると聞いて合うなと思った」と言うのは、料理を作ってもらえるからってことなんですよね。ちょっと怖いですね。
そうとは知らないモトミさんは、アツシさんに対していい印象を抱いている様子。
そんなモトミさんが次に会ったのがリョウタロウさん(32)。原宿で美容師をしているオシャレBOYです。頭が固いことが短所というリョウタロウさんに、「それは長所でもある」というモトミさん。この会話で、モトミさんに好印象を抱いたリョウタロウさん。
お互いアウトドア派だったり、チンチラを飼っていたり、住んでいた場所も近いなど、何かと共通点も多い二人は意気投合。モトミさんは、アツシさんとリョウタロウさん、どちらを選ぶか迷います。
幸せの滑走路ギャグ
さて、#1のクライマックスは、オダッチ&ナナコです。
離婚歴があるナナコさんは、それをコンプレックスに感じていたと打ち明けますが、これを聞いたオダッチは、「ナナコさんが言うコンプレックスは、僕にとって何も引っかかってない」ときっぱり。「そのコンプレックスが僕にとってすべてストライクだ」って、いいこと言う。今後機会があれば使っていきたいくらいいい台詞。
すっかりナナコさんに気持ちが傾いていたオダッチは、突然「好き」と告白します。
昔お父さんが病で倒れた日のことを思い出し、「世界が終わってもその人だけは生きていてほしいと思えるのが家族」「ナナコさんにはそういう存在になってほしい」と涙ながらに伝えます。ナナコさんも感動の涙。感動しますよね。本当感動したんです。感動したんですよ。
そして、ついにプロポーズ。いつものようにポッドに入るナナコさん。すると、ソファの上にはバラの花束が。壁の向こうでは、「結婚してください」と指輪を差し出すオダッチ。「お願いします」と答えるナナコさん。良かったね。
喜びのまま、男性ラウンジへと戻っていくオダッチが、「幸せの滑走路」という謎ギャグを飛ばすこのシーンが好きです。仲間たちに祝福され、ついに二人は初対面のときを迎えるが……というところで、#1は終わり。
#1の最後は、これからの予告がダイジェストで流れますが、トラブル続出な感じがしてワクワクします。実際トラブル続出するわけなので。
次回は#2を振り返りたいと思います。
中村 未来Nakamura Miku
千葉県習志野市出身の演劇ライター、シナリオライター。
玉川大学芸術学部卒業。
趣味は演劇鑑賞と漫画を読むこと。
東京都在住。
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