- HOME
- ホームパーティー〜金髪にした理由〜
我が家でホームパーティーをしました。お客様はおなじみHARUKAさんです。この夏は会う頻度がとても高いです。
私の家のコーディネートはかなりシンプルです。できるだけ物を持たないことを心がけているため、意図的にそうしています。にも関わらず、HARUKAさんは部屋に入るなり
「引っ越して3日め?」
「これから荷ほどき?」
と、まったくデリカシーのないことばかり言っていて気が滅入りました。彼女はシンプルの良さを何もわかっていないのです。
ホームパーティーということで、普段は買わないものを買ってみました。
こちらです↓
手前の注ぎ口を空けると、赤ワインが出てきます。キャンプやアウトドア向けだそうで、おまけでカラビナがついてきます。普段アウトドアをあまりしないのでどのタイミングで使おうか悩みますが、鍵でもつけようかな。
ところで全然話は変わりますが、私は今全頭ブリーチをして金髪です。人に会うたび「髪明るくなったね」「どうしたの?」と聞かれ、そのたびに「夏なので」とはぐらかしていましたが、実際は違います。そうしたのにはHARUKAさんが深く関わっています。関わっているというか、彼女に責任があると思っている。そうとまで言う。
私は長きにわたり、HARUKAさんから「ブリーチだけはやめとけ」と言われて続けていました。元美容師のHARUKAさんいわく「ブリーチは髪の毛がめちゃくちゃ傷んで死ぬからやめとけ」というわけです。たしかにブリーチは髪が痛みます。本当はブリーチして明るい髪色にもしてみたかったけど、HARUKAさんが強く訴え続けてきたので、言う通りにしていました。ちなみにそういうHARUKAさんは当時ブリーチしまくりの金髪でした。
ヘアケアの話題になるたび「ブリーチだけはやめとけ」と言われて10年以上経ちました。そしてつい2ヶ月くらい前のことです。
その日もHARUKAさんとお茶をしていて、ヘアケアの話題になりました。共通の友人がハイライトを入れたという話になり、「でも私はHARUKAさんがブリーチだけはやめとけって言ってたから、これまでずっとやらなかったんだよ」と言いました。次の瞬間、HARUKAさんから思いがけない言葉が飛び出しました。
「え? 私そんなこと言った?」
私は耳も疑ったし、目も疑いました。
「こいつ、本気で言ってるのか?」
10年以上、ずっと言われ続けてきたのです。「ブリーチだけはやめとけ」と。それをまったく覚えていないというのだから、私は焦りました。
「言ってたよ。ずっとやるなって言ってたよ」
「そっか。全然覚えてないけど。え、やりたいならやれば?」
……人のアドバイスが、こんなに適当だったなんてはじめての経験でした。別にブリーチしたかったら勝手にすればいいのです。それをHARUKAさんの責任にするつもりはありません。ただ自分が言い続けてきたことを、まったく覚えていないということに怒りが湧いてきました。
「そっか。全然覚えてないけど。え、やりたいならやれば?」
ヘラヘラしながら2回くらい同じことを言われました。
その数日後です。私はいつもの美容室に行き、怒りの全頭ブリーチをしました。担当の美容師さんには「地元の友だちに自分が言ったことを丸っきり忘れているやつがいる」「まったく信用できない」という悪口を言い続けました。
金髪になったのは、こうした深い理由があったのです。なぜ私が突然こんなことを書いたのかというと、あろうことかホームパーティーのあとHARUKAさんは私が通っている美容室を予約していたのです。私がしこたま悪口を言った美容師さんに髪を切ってもらうということでした。
「大丈夫? 私かなり悪口言ったよ?」
「被害妄想が激しいって訂正しておくね」
そう言って彼女はバスに乗っていきました。
アドバイスとは? 誠実さとは? そして友情とは?
そんなことを考えた一日でした。
あとブリーチはやっぱり髪が痛むので、早く黒髪に戻したいなと思いました。
中村 未来Nakamura Miku
千葉県習志野市出身の演劇ライター、シナリオライター。
玉川大学芸術学部卒業。
趣味は演劇鑑賞と漫画を読むこと。
東京都在住。
コメントを残す