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- 『うちのちいさな女中さん』〜なんでもないようなことが癒やし〜
最近、読んで面白かった漫画がこちらです。
『うちのちいさな女中さん』(長田佳奈)
今年8月に最新4巻が発売されました。
『舞妓さんちのまかないさん』が好きな人はもれなく好きな作品だと思います。
ハウスキーパー系の漫画は、なんでこんなに心に刺さるのでしょうか。
舞台は昭和初期、14歳の女の子・野中ハナが、翻訳家の蓮見令子の女中として働く日々を描いた作品です。
最初はなんでこんなに小さい女の子が来るの? 何かの間違いでは? というところから始まります。たしかに14歳の子が働きに来たら驚きますよね。
しかしハナちゃんはとても働き者で、家事の一切合切が得意。ものすごくまじめでふざけたことも言いません。
そんなハナちゃんを見て令子さんも「この子なら」ということでお家に置くことを決めます。
翻訳家の令子さんが暮らす家は、素敵な洋館です。この時代には珍しかったと思います。
七輪で火起こししたり、井戸から水を汲んでた時代に、ガスと水道が引かれているので、やっぱりすごい金持ちなんだろうな。
そういえば、山田洋次監督の『小さいおうち』も、松たか子がこんな家に住んでいて、女中に黒木華がいました。あの雰囲気が好きな人も、きっと好きな漫画です。
そんな豪邸に、なぜ令子さんが一人で暮らしているかというと、のっぴきならない事情があるのですが、ネタバレになってしまうのでここでは伏せます。
とにかく豪華だけど、どこか寂しいお家にやってきたのがハナちゃんというわけです。
基本的に無表情なハナちゃんですが、令子さんのハイソなライフスタイルを見たときは14歳らしく驚いたりと、少しずついろんな感情を表すようになります。
特に何か事件が起きるわけでもない、でもなんか読んじゃう。
冒頭でハウスキーパー系の漫画がなぜ心に刺さるのかと問いかけましたが、答えは「癒やし」なんだと思います。我々現代人は、なんでもないことに癒やしを求めているのですね。
今日はあと一本、入稿しなければならない原稿があるのですが、『うちのちいさな女中さん』を読んでいたら夕方になってしまいました。
ここからどう巻き返すか? 本当に今日入稿することはできるのか?
一旦コンビニでオールフリーを買いに行こうと思います。
中村 未来Nakamura Miku
千葉県習志野市出身の演劇ライター、シナリオライター。
玉川大学芸術学部卒業。
趣味は演劇鑑賞と漫画を読むこと。
東京都在住。
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