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【ミライ★ライター倶楽部】ライターは、夏休みの読書感想文をどうクリアしてきたのか?

2024.08.01

なぜ小学5、6年生が対象なのですか?


公開プレゼンのとき、審査員の方から「対象年齢を小学校5、6年生にしたのはどうしてですか? もっと上げてもいいのでは?」という質問をいただきました。

たしかに中学生や高校生のほうが、文章に興味を持って、主体的に取り組めるかもしれません。

しかし私は今回、中野区ミライ★ライター倶楽部をはじめるにあたって、「年齢は低ければ低いほどよい」という考えを持っていました。

というのも、講座の内容を考えているときに、子ども向けサイト「ニフティキッズ」を運営するニフティ(東京都)の、小中学生を対象に実施したアンケート調査を目にしたからです。

そのアンケートによると、小中学生が夏休みの宿題で一番嫌いなのが、「読書感想文・作文」なのだそうです。

こちら、2023年の調査結果ですが、おそらく過去数十年にわたり、読書感想文は嫌いな宿題不動のNo.1なのではないでしょうか。

だからこそ、今回私は小学生を対象にしたライティング講座を開催しようと思いました。小学生の時点で、すでに文章を書くのが苦手・面倒くさいと思っている子が多いというのは、由々しき事態だと感じたからです。

文章に対する苦手意識をなくすために、できるだけ早いうちに手を打たねばならないとうことで、小学生5、6年生を講座の対象にすることに決めました。

中学生になって、読書感想文や作文の宿題を出されたときに、少しでも「書ける!!」と、実感してほしいからです。

読書感想文の思い出


さて、私が小学生だった数十年前も、すでに「読書感想文=面倒くさいもの」と認識されていたように思います。

私が通っていた学校では、夏休み前に課題図書が10冊ほど提示されるので、その中から好きなものを選んで書くという形式でした。
どんな課題図書だったかは覚えていませんが、児童文学かノンフィクション作品だったような気がします。

では、現在ライターである私が、子供の頃に読書感想文をどう思っていたかというと、わりと好きでした。やはり、もともと本を読むのが好きだというのが強い気がします。

そんな私ですが、読書感想文については、少し苦々しい思い出があります。

中学3年生のときです。夏休みの宿題に、とあるノンフィクション作品をテーマにした読書感想文を書いたところ、なんと学校代表に選ばれました。
読書感想文にはコンクールがあり、例年、誰かしらの作品が選ばれるのです。
学内予選を勝ち抜いた作品は、そこから県大会を経て、全国コンクールへ……という流れだったと思います。

文章を書くことがそれなりに好きではありましたが、決して得意だったわけではなかった私にとって、(書くのが「好き」と「得意」は全然違う件については、また次回書きます)、「これは自分の文章が認められるチャンスなのかもしれない」と、ドキドキしていました。

ところが、県大会であっさり敗退します。担当だった国語の先生から「字が汚いから落ちた」と敗因を聞かされましたが、真相は不明です。

そんなわけで、日の目を見ることのなかった私の読書感想文でしたが、それから約1年後、再び動き出します。

やっちゃダメ、絶対

高校でもやはり読書感想文の宿題がありました。ただ、小中学生の頃と違い、課題図書はありません。好きな本をテーマにして良いと聞き、私はひらめきました。「去年書いた読書感想文を出せばいいのでは?」

それが自分にとっての自信作だったので、「もう一回出してもバチは当たらないだろう」「せっかくなら高校の先生にも読んでもらいたい」と思ったのです。

結果、この作品は再び学年選抜を突破しました。
「次は学校内予選に進むよ」
それを聞いて私は震えました。中学生時代に、学校が勝手に選んだとはいえ、コンクールに進もうとしていた読書感想文と、まるっきり同じものを書いて再び出すのは、ルール違反だと思ったからです。

自分の作品ではあるけれど、これって盗作になるのでは? しかし、先生に言い出すことができませんでした。

この期間は本当に不安でしたが、結果的に、学校内選抜で敗退して幕を閉じます。

この出来事で私が得た教訓は2つです。

1つ目は、焼き直しはダメ、絶対です。
基本的に、一度コンクールに片足突っ込んだものは、そこで終わりです。コンクールの条件によってはリライトして再トライ〜みたいなことはあり得るかもしれませんが、焼き直しはダメ(2回め)。私のように不安で眠れなくなります。

そしてもう一つは、力入れすぎて書いてもあんまよくない
この出来事の翌年、「今度は新作で挑戦しよう」と意気込み、夏休みをかけて新しい読書感想文を執筆したものの、箸にも棒にもかかりませんでした。

小川洋子さんの『博士の愛した数式』を、新解釈で分析した自信作だったのですが、ただの自己満足だったようです。

この2つの教訓を経て、読書感想文は
・その瞬間に自分が感じた気持ちを、素直に言葉に書く
なんだかんだで、これが一番大切なことなのだと今は思います。

言うは易く行うは難しで、「それって結局、どうやって書くんだよ」という真っ当な疑問を、中野区ミライ★ライター倶楽部で説明したいと思います。

中野区ミライ★ライター倶楽部のご案内こちらから

対象:中野区在住の小学校5、6年生
参加費:無料
講座日:11月2日(土)、9日(土)、23日(土)、30日(土)各回10時〜12時。
※このほか課外活動日が1日あります。日時調整中。

PROFILE
演劇ライター 中村 未来

​中村 未来Nakamura Miku

千葉県習志野市出身の演劇ライター、シナリオライター。
玉川大学芸術学部卒業。
趣味は演劇鑑賞と漫画を読むこと。
東京都在住。

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