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太田記念美術館『浮世絵お化け屋敷』〜また一つ学びました〜

2024.08.14

まさかの休館日

先日、久しぶりにオペラシティに行ってみようと思いたちました。

酷暑の中、バスで向かったところ、なんとその日は休館日でした。
オペラシティにも休館日がある。


1階のエクセルシオールすらお休みのことに愕然としましたが、気を取り直して、前々から気になっていた太田記念美術館の『浮世絵お化け屋敷』に目的地を変更しました。

夏といえばお化け。

ラフォーレ原宿の裏という、大都会に位置する太田記念美術館。

かつて東邦生命保険相互会社の社長を務めていた五代太田清藏(1893~1977)が蒐集した浮世絵コレクションを、広く大勢の方々に公開するために設立された美術館です。”(公式サイトより引用)

とあるように、浮世絵専門の私立美術館です。

今回の「浮世絵お化け屋敷」では、五代太田清藏コレクションの中でも、お化けに特化した選りすぐりの作品が展示されるということです。

また一つ、学んでしまいました

開館は朝10時30分から。
私が到着したのは10時40分くらいだったのですが、入り口付近はすでに人だらけ。

チケットはスムーズに買えたものの、展示室は来場者でいっぱいでした。

入り口付近が最も混み合う、美術館あるある。
浮世絵を一枚一枚見る人が、横一列にずらりと並んで、ゆっくり移動していきます。

別に好きな順番で見ていいはずなのですが、なんとなく並んでしまいますよね。
もちろん私も並びました。

「あ、これ知ってる〜〜」という作品もたくさんありました。

その中のひとつが、こちらです。「百物語 四ツ谷 八」

お岩さんの怨霊が、提灯に乗り移ったユーモラスな作品です。

そういえば、これ誰の作品なんだろうとリストをチェックしたところ、落合芳幾と書かれている。

ところが、私の私物の妖怪浮世絵大全を見てみると、こちらの作者は葛飾北斎になっている。

落合芳幾? おや?? 

よくよく調べてみたら、落合芳幾が、葛飾北斎の作品を真似して描いたのが「百物語 四ツ谷 八」らしいです。へぇ〜! 

また一つ学んでしまいました。

ほかにも、月岡芳年『奥州安達がはらひとつ家の図』もありました。

一度見たら忘れられないインパクトある作品。
じつはこの鬼婆と吊るされた女性は、実の母娘なのですが、鬼婆はそれに気づかず……という悲劇的な作品です。

歌川国芳「四代目市川小団次の浅倉当吾亡霊」
こちらも、インパクトある作品。

下総国佐倉藩領の名手・佐倉惣五郎は、重税に苦しむ農民たちのために、将軍に直訴し、処刑されてしまいました。
江戸庶民の間で怨霊伝説となり、描かれたのがこちらの作品なわけですね。

青ざめた表情と、揺れるような手つきが不気味です。

浮世絵お化け屋敷は普通に人気

1階→2階→地下1階、という順路で見ていきます。

「幽霊エリア」や「妖怪エリア」などに分かれていて、それぞれ面白かったです。

ただやっぱり、どこの展示室も混んでいた。

週末に行ったので、余計に賑わっていたのだと思います。
あと、浮世絵お化け屋敷は普通に人気

週末に行く予定の方は、早めの時間帯に行くことをおすすめします。

酷暑ですが、浮世絵とお化け屋敷に興味のある方は、ぜひ行ってみてください。



PROFILE
演劇ライター 中村 未来

​中村 未来Nakamura Miku

千葉県習志野市出身の演劇ライター、シナリオライター。
玉川大学芸術学部卒業。
趣味は演劇鑑賞と漫画を読むこと。
東京都在住。

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