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『オールドルーキー』〜キミはともだち〜

2022.06.29

無邪気すぎるという短所

綾野剛主演のTBS日曜劇場『オールドルーキー』はじまりましたね。YouTuberからの暴露で、放送は危ういんじゃないかなんて言われていましたが、普通にはじまりました。

綾野剛演じる新町亮太郎は、元サッカー日本代表選手。

37歳の今は、J3に所属するチーム「ジェンマ八王子」で活躍していたが、突如チームが解散。高柳雅史(反町隆史)が経営する会社「ビクトリー」でセカンドキャリアを始める…というストーリーです。

ドラマ前日あたりに、番宣で綾野剛が出ているのを見たのですが、ものすごい好青年風でびっくりしました。綾野剛といえば、クール系やオラオラ系の役が多いイメージです。「ヤクザと家族」とか「アバランチ」とか。陽気な役でも、どこか影を背負ってるとか。「MIU404」とか「新宿スワン」とか。それらを感じさせない笑顔だったので、もしかしたら、今回はそういう役なのかもしれないと思ってたら、本当にそうでした。

新町は、元日本代表選手ですが、それを盾に威張るようなことはしません。年下の後輩たちにもフランクに接します。テレビのインタビューでもサービス精神旺盛。いつかJ1に戻れると信じる無邪気さ。おまけに家族仲もいい。だからこそ、新町がセカンドキャリアについて一切考えていなかったのは、やや不自然ではありました。

日本代表まで勤め上げた選手なら、J1復帰の道のりがどれだけ大変かわかっているはず。また、これだけ人望がありそうなら、周囲の人たちがほっておかなさそう。誰かしらアドバイスする人が近くにいそうな気もします。しかしこれらは全部、無邪気さで説明できます。どんなアドバイスも、笑顔でかわして聞き入れなかったのでしょう。

とはいえ、新町がナルシストでプライドが高く、威張った嫌なやつだったら、もっとすんなり話は通ったのではないかと思います。嫌な奴だったら誰もアドバイスしないし、チームが解散しても知らんぷりされて納得です。と、考えている間にそんなドラマがあったことを思い出しました。

2004年に放送されていたフジテレビの『ワンダフルライフ』です。

自らの過ちで仕事も家庭も失った、自己中心的な野球選手が、少年野球チームの監督になることで成長していくというストーリーでした。平井堅の『キミはともだち』がいい曲でしたね。

しかしなるほど、新町の性格を悪くすると、ワンダフルライフみたいになっちゃいますね。反町隆史も見てるし。だからあえて、正反対のキャラクターにしたのかな。

サプライズに気づけない

第一話で話題になったのが、横浜流星のサプライズ出演です。ドイツから人気サッカー選手の矢崎十志也がやってきます。登場時のすごく悪そうな笑みが印象的です。口の端を片方だけあげるのって結構難しいです。これ横浜流星くんだったのですが、私全然気づきませんでした。わりと好きな俳優なのに、突然出てくると誰だかわからないことがよくあります。脳がバグってるのか、俳優の顔を見分けるのが苦手なのか。町で芸能人を見つけるのも苦手です。自ら発見したことは多分一度もないと思います。

表参道で待ち合わせしていたときも、目の前をピンクのタイトなミニワンピースに、ハイヒール、ドデカサングラスをかけた美女が通過したときも、一緒にいた人から「あれ叶美香さんだよ」と言われるまで、気づきませんでした。そのレベルなので、横浜流星の顔がわからないのも不思議ではありません。

最初は、新町に反発していた矢崎でしたが、じつは彼にとって新町は憧れの人。そんな人が、ビクトリーで会社員やって、焼き肉焼いてるのが我慢ならなかったようです。最終的には和解。新町は矢崎の日本滞在中のサポート契約締結に成功します。

そんな第一話でした。

第二話は、天才スケボー少女を獲得するようです。さまざまなスポーツ選手の裏方を務めることで、サッカー選手としての自分と向き合っていくわけですね。ぶっちゃけ、スポーツにはそこまで興味がないのですが、綾野剛の行く末を見守るためにも、続けてみようと思います。


PROFILE
演劇ライター 中村 未来

​中村 未来Nakamura Miku

千葉県習志野市出身の演劇ライター、シナリオライター。
玉川大学芸術学部卒業。
趣味は演劇鑑賞と漫画を読むこと。
東京都在住。

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