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- 『うるはしみにくし あなたのともだち』〜人から借りた本〜
ライターの不動明子さん(ペンネーム)に貸してもらった本
『うるはしみにくし あなたのともだち』
を読み終わりました。
『ぼぎわんが、来る』の澤村伊智先生の作品です。
※ちょっとだけネタバレしています。
犯人わかっちゃったんですけど
事前に「学園ミステリーだけど思ってる以上に人が死ぬよ」言われていましたが、本当にそうでした。
(あらすじ)
四ツ角高校三年二組で一番美しく人気もあった生徒・更紗が突如自殺する。
遺書もなくいじめがあったわけでもない。
彼女の死をきっかけに、次々に女生徒が見えない力によって容姿を傷付けられていく。
互いを勘ぐり合う生徒たち、変化していくクラスカースト。担任の小谷舞香は、この異変の真相を探るうちに、地域につたわる「ユアフレンド」というおまじないの存在を知り――。
おまじない=呪いと、女子高生特有のルッキズム、スクールカーストを織り交ぜたストーリーです。
おまじないを受けとった女の子たちが、次々と醜い姿へと変えられていきます。
それも狙ったようにスクールカースト上位の可愛い子たち。
かと思ったら、全然関係ない子たちにまで被害が及び!! という展開です。
完全に男子が排除されているあたり、女子のルッキズムの深刻さが強調されています。
ティーンの頃って特にルックスが気になるお年頃です。
ネタバレしてしまうのですが、私は絶対に椛島さんが犯人だと思っていました。なぜなら、あんなにわかりやすくいいやつはいない。
でも違いました。怪しいのは単なるミスリードで、まんまと引っかかったわけです。
複数視点で描かれているので、一旦最後まで読んだら、「そういえばあれは誰の言葉だったんだ?」とまた読み返したくなります。
登場人物は多いですが、それぞれ個性的なキャラクターなので混乱することもありませんでした。
犯人も最後の最後までわからないようになっています。ちなみに私はわかりませんでした。
お詫びしたいことがある
さて、この場をお借りしてお詫びしたいことがあります。
最近は締切がやたらと重なっていて家で本を読む時間が取れなかったため、移動中に読んでいました。
カバンの中に文庫本を入れていると、いつの間にかページが折れてたりしますよね。
そんなわけで、人から借りた本だというのに、うっかりやってしまいました。
「いけない」と思いつつ、またカバンに忍ばせ、今度は紙のカバーに少し水をかけてしまいました。
人から借りた本だというのに。
そんなことが何回か続いた結果、もうしゃーないと開き直り、自分の本として読むことにしました。
不動明子さんにはこのあと丁寧に謝罪して、新しい本をプレゼントしようと思っています。
それでなんとかお茶を濁したいと思います。
中村 未来Nakamura Miku
千葉県習志野市出身の演劇ライター、シナリオライター。
玉川大学芸術学部卒業。
趣味は演劇鑑賞と漫画を読むこと。
東京都在住。
こんにちは。不動明子(ペンネーム)です。中村さんはすぐに貸した本を読んで感想もくれるので、とてもうれしい気持ちになります。また、同作も楽しんでいただけたようでよかったです。さて、本の状態に関してですが、かの『下妻物語』で深田恭子演じる龍ヶ崎桃子はこう言っていました。「人に大切なものを貸すな。貸すなら、もう戻ってこないものと思え」というパンクなセリフです。私は人になにかを貸す際、この言葉を胸に刻んでいるので、戻ってくるだけでも御の字なのです。なので、新品を買う必要はありません。あなたが楽しんでくれた時間、それがいちばんだいじなのだから…