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- 『ザ・メニュー』〜翼の生えたオーナー〜
今週発売されました、こちらの記事の中で↓
週刊女性『【料理人を志すきっかけになった!】プロも認める三つ星級食ドラマ』
クロッサムモリタのオーナー、森田さんは、うなったグルメ作品に『ザ・メニュー』を挙げていました。
『ザ・メニュー』は、2022年公開のサスペンスコメディ映画で、主演はアニャ・テイラー=ジョイ。ピーチ姫です。
うなったどころか、「『ザ・メニュー』はクロッサムモリタそのもの」とまで森田さんは言っています。
クロッサムモリタといえば予約7年待ちの人気店。生きてるうちに行ける気がしません。でも『ザ・メニュー』がクロッサムモリタそのものというのであれば、これを観れば少しは行った気になれるかもしれない。
というわけですぐに観ました。ディズニープラスで配信していました。
あらすじ
孤島に佇むレストランを訪れたマーゴとタイラーの若いカップル。そこではシェフが極上のメニューを用意している。しかし、レストランのゲストたちはこのディナーに衝撃的なサプライズが待ち受けていることに気づくのだった…。
脚本 セス・レイスとウィル・トレイシー、監督 マーク・マイロッドが贈るダーク・コメディー。
予約が取れないで有名なシェフ、ジュリアン・スローヴィクが経営する“ホーソン”は、船に乗って行くスタイルの超高級レストラン。
船にはマーゴたちのほか、グルメ評論家や、昔人気だった俳優、イケイケ青年実業家グループたちが乗っている。みんなジュリアンの料理のファンです。
孤島に到着すると、すぐレストランの女性スタッフが迎えに来てくれるのですが、この女性スタッフがすでに不穏。ジュリアンに心酔しているような、洗脳されているようなそんな感じをプンプンさせています。
女性スタッフに案内され、店までの道のりを歩く一行。
すると島のいたるところに、レストランの片鱗が見えてきます。
近くの沖では別のスタッフがその日の料理に出す魚を獲っていたり、島の中で食材を栽培していたりと、料理へのこだわりが伝わってくる。
案内される場所をみんな興味深く見学していますが、最も熱心なのがマーゴの彼氏であるタイラー。タイラーはジュリアンの熱心な信者で、一人だけ熱意が違う。そんなタイラーを見て、マーゴは引いています。
なんやかんやあって、お店に到着。さっそくジュリアンがコース料理を振る舞うのですが、悪趣味な料理ばかり。
さらには合間合間で、客とスタッフとの小競り合いがあったりと、お店の雰囲気は全然よくない。でも有名店だし多少はね? みたいな感じで客は食事を進めます。
ところが、ある料理で事態は一変。
メニューを考案した若いシェフが、なぜか突然、拳銃自殺をするのです。大混乱の客を前に、平然とするジュリアンとスタフたち。彼の死も今日の料理の一部なのです。狂っています。
料理の道を極めすぎたのか? 彼はこの日、人生をかけた料理にチャレンジする気でいました。
唯一ジュリアンの狂気にストップをかける存在が、マーゴ。
マーゴの来店は、ジュリアンにとっては想定外。知らない顔が客席にあるので、挙動不審になってしまいます。さらには、マーゴが自分の料理を一口も食べないことに大混乱。
ほかの客がみんなジュリアンにビビり散らかしている中、ひとり果敢にジュリアンに立ち向かうマーゴ。果たしてマーゴとジュリアンの勝負(?)の行方はいかに……というストーリー。
ジャンルはサスペンスコメディらしいですが、笑いどころは難しいです。
しいていうならば、なぜか店内にずっといる老婆。
彼女はジュリアンの母なのですが、たまにジュリアンと何かボソボソと相談しているだけで、何もしない。クライマックスで何かしでかすのか? とハラハラしていましたが、ついに何もせず終わったところはちょっとだけ面白かったです。息子が心配で毎日お店に来ているのかな?
また、厨房にはスタッフが何十人といるのですが、みんなずっと中腰で作業している。何をそんなに腰をかがめる必要があるのか。
途中、なぜか空中に吊るされて登場するオーナー。背中には翼。
彼もまた、一言も話さず水の中へと沈んでいきました。
そんな感じでツッコミどころは結構あるかもしれない。
ラストシーンの意味も全然わかんなかったけど、チーズバーガーは美味しそうだった。そんなお話でした。
全部観終わってから、森田さんの言葉を再び思い出します。
「クロッサムモリタそのもの」
映画を観たことで、余計気になる。一体どんなお店なのか。クロッサムモリタ。
謎は深まるばかりです。
中村 未来Nakamura Miku
千葉県習志野市出身の演劇ライター、シナリオライター。
玉川大学芸術学部卒業。
趣味は演劇鑑賞と漫画を読むこと。
東京都在住。
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