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- 凶遡 咽び家〜浜松町のお化け屋敷〜②


前回からのつづきです。
凶遡 咽び家〜浜松町のお化け屋敷〜①
※ネタバレなしですが、雰囲気を書いてるので、NO知識で挑戦したい方は読まないほうがいいです。
あやうく、私とHARUKAさんの2人チームになるかと思いきや、残りの4人も集合。
というわけで、メンバーを紹介します。
私:自分よりビビってるHARUKAさんがいることで、いつもより強気
HARUKA:ビビっている
ゆるふわの女性:可愛いワンピースにパンプスを履いている
ロックな女性:動きやすそうな格好をしている
茶髪の男性:仲間たちを今回の脱出ゲームに誘った人
黒髪の男性:ポテンシャル未知数
です!
ちなみに、4人の関係性はわかりませんでした。カップルなのかお友達なのか?
全員がそろったところで、脱出ゲームのストーリーがはじまります。
あらすじはこちら↓(HPより転載)
都市伝説「人が消える公園」という話がある。とある公園にいた人が急にいなくなってしまうという話だ。消えた人々は異界に飛ばされ、帰って来られる人はごく僅からしい。
その場所が公園になったのは昭和56年。以前は大正時代より建っていた古い一軒家があった。昭和53年、都市開発が進み、木造住宅よりも高く大きな建物が周りに立つ中、その古い一軒家に雷が直撃し火災が発生する事故があった。 焼死者6名と生存者1名。
さらにその家屋からは何故か袋に入った謎の白骨遺体がおよそ十数名分も発見されるという不可解な事件もあった。しかし唯一の生存者一名も近くの病院へ搬送後、謎の死を遂げ真相は闇の中へと消えていった。その後、土地の持ち主もいない中、国の所有する土地として公園が建てられることとなったらしい。
この都市伝説「人が消える公園」には続きと思われる話が幾つか存在する。ただ、その内容は決まって「暗闇から目を覚ますと古い一軒家にいて、“その家に棲む者”に閉じ込められてしまう」という話ばかりである。
今回、貴方が体験するのは異界屋敷。 昭和53年で時が止まったこの家には、ある悲壮な物語の記憶が焼き付いています。 全三章から成る壮大なストーリーを紡ぎ、じっくりと「異界屋敷」をお楽しみください。
聞いたところによると、こちら浜松町の咽び家は、いわゆる異世界ものだそうです。
方南町の咽び家は殺人鬼が出てくる「ヒトコワもの」だったので、ジャンルが異なります。
じつは私はファンタジーやSFは、そんなにそんなにです。
設定が複雑なものは、ちょっとついていけずに挫折しがちです。
そのため、ぱっとあらすじを読んだ感じ、「クリーチャーよりも、殺人鬼のほうが怖そうだな」という印象でした。
さて、公園に集合した我々は、Y澤不動産が紹介する土地を見に行くという設定です。
スタッフのお姉さんから土地を何に利用する予定か聞かれます。適当に投資用アパートを建てますとか、自分が住む家を建てますとか、ちょっとした雑談をしたあと……。
このあとは、ネタバレになってしまうので、一旦伏せます。
そして、今回の舞台となるお家へ。方南町の咽び家の3倍の広さ。玄関がすでに怖い。
本当は、初対面のメンバーで自己紹介くらいしたかったのですが、そんな時間もなく、お家の中へ……。
(※ここからまた、ネタバレになってしまうので、大事なところは伏せてお届けします)
ゲームがはじまると、方南町と同じく、お家の中を探索してヒントを集めます。
たしかに、3倍なだけあって広い! そして暗い。
なんせ初対面のグループなので、誰がどんなタイプかわかりません。とりあえず、
「全員で部屋を回って、いろいろ探してみよう」ということで、みんなで探検することになりました。
結論からいうと、バラバラになって探すほうが間違いなく効率がいいのですが、みんな怖かったのです。
意外だったのは、ゆるふわのお姉さんが思いがけず勇敢だったこと。
「脱出ゲームは好きだけど、こういうホラー系ははじめてです」
もう一つ意外だったのは、私が全然ビビっていなかったこと。
方南町では、手も足も出ずビビりちらしていたのに、この変わりよう。
HARUKAさんにも、「言いたくないけど、あんたが頼もしく見える」と言われるくらいでした。
理由は二つあります。1つ目は、私はやはり「ヒトコワ」のほうが怖いのです。本物の人間に追いかけられるほうがはるかに嫌です。
そしてもう一つは、ゆるふわお姉さんの存在です。ワンピースを着た可愛らしいお嬢さんに、頼りになる勇敢な女性と思われたかったのです。
年下の同性にいいところを見せたい。それだけで私は、ホラー系脱出ゲームに対する恐怖を克服したのです。
といっても、脱出ゲームに関する勘はゼロなので、案の定、何も見つけることができません。
勇敢に部屋をめぐり、座布団をひっくり返したりするけど、何も見つからない。
そのうち、クリーチャーがやってきました。
このときみんな驚いてダッシュして逃げたので、アナウンスで「走らないでください」と怒られました。走ってはだめです。
全員同じ部屋に入り、すみやかに近くの隠れ場所に身を潜めます。
私とHARUKAさんは同じタンスの中に隠れました。
すると、ロックなお姉さんが、部屋の真ん中で立ち往生しています。
「ここまだ入れますよ!」
と私とHARUKAさんが声をかけたのですが、何か戸惑う様子を見せて姿が見えなくなってしまいました。
そのうちクリーチャーがやってきたので、扉を閉める私とHARUKAさん。
すると部屋にクリーチャーが入ってくる音と、ロックなお姉さんの「あー、終わった」という声。
……え、捕まっちゃったの?
こっち空いてますよって呼んだけど……私たちと隠れるよりもクリーチャーに捕まるほうを選んだのかなーー?
それにしても、捕まるときまで全然恐怖を感じてるふうでもなかったので、強いなと思いました。
全員でロックなお姉さんを助け出し、お家の捜索を再開します。
しかし、探せど探せど、何も見つからない。
焦りました。通常の脱出ゲームでは、はじまって5分以内には、何かしらヒントが見つかるものなのですが、まじで何も見つからない。
そんなとき、またしてもクリーチャーがやってきました。
が、このときもう、「何かを見つけなきゃ」が先に来ていたので、気にせず探していました。
案の定捕まります。
クリーチャーに指示されるまま、部屋に閉じ込められたのですが、「こんな部屋あったんだ?」と思いました。
6人でまとまって室内を散策していたせいで、まだ開けていない部屋がめちゃくちゃあったのです。
こちらの様子は、スタッフが監視カメラで見ているので筒抜けです。
勇敢にいろいろ探してるように見えて、じつは全然探せていないことが丸わかり。恥ずかしかったです。
そのときアナウンスが響き渡ります。
「残り15分です」
「!?!?!?!?」
まだ何も見つけてないのに、残り15分になってしまいました。
さすがに、これじゃ帰れません。
私たちはついに本気になるのです。
つづく!!!!


中村 未来Nakamura Miku
千葉県習志野市出身の演劇ライター、シナリオライター。
玉川大学芸術学部卒業。
趣味は演劇鑑賞と漫画を読むこと。
東京都在住。
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