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- 『呪詛』〜人生で一番怖かった作品〜
出演料1000ドル
Netflixで話題の『呪詛』が気になっていたので観ました。
2022年に台湾で公開された映画で、その年の興行収入新記録を樹立したそうです。ある記事で「ファウンド・フッテージ系ホラー映画」と紹介されていましたが、そのカテゴリ名を今始めて知りました。
「第三者によって発見された (found) 未編集の映像 (footage)」という意味だそうです。『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』とか、『パラノーマル・アクティビティ』とかもそうみたいです。どちらも好きです。『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』は、公開当時、毎日のようにCMが流れていたのを覚えています。主人公の女性が自撮りで震えながら呟くあの有名なシーンです。たしかにあれを流されたら本編も観たくなる。
何気なく調べたら、ブレア・ウィッチ・プロジェクトは全世界興行収入が2億4050万ドルというぶっ飛び記録を樹立しましたが、出演者3人にはそれぞれ10万ドルの出演料しか支払われなかったそうです。そっちのほうが恐ろしいです。
話がそれましたが、『呪詛』も、主人公の女性が日々の生活をカメラによって撮影し、その映像を視聴者が覗き見るスタイルです。かつてある宗教施設で禁忌を破り、呪いを受けたリー・ルオナン。そして6年後、あの時の呪いが今度は自分の娘に降りかかったと知り、なんとか娘を守ろうとするが…
というストーリー。結論から言うと面白かったです。怖いホラーかと言われると、個人差があると思いますが、私は夜一人で観たくないなと思いました。ところどころ怖ポイントやグロポイントを散りばめつつ、全体的に嫌〜な気持ちになる映画です。最後にちょっとした仕掛けも用意されています。
印象に残ったシーンとしては、体に呪文書かれた人たちを見るのが無理でした。あのブリーフたちです。気持ち悪っ!ってしっかり声に出た。あと、体に穴開くのも無理…しっかり映像が気持ち悪かったということですね。怖いっていうか気持ち悪い。髪食べてるのとかも無理…。
なによりアジア映画独特の、湿ったような映像がいい雰囲気を作っています。台湾の空港に降り立ったときに感じるなんとも言えない匂いを思い出すようです。台湾には行ったことはないのですが、多分タイや上海と同じ感じだと思っています。
マイ・ベスト・怖かった作品
そういえば、ヒロインが誰かに似ているなと思ったら、竹内結子でした。ふとした瞬間の表情が似ている。
竹内結子が出演した『残穢』も好きでした。後半、謎のホラー演出が入って、ん??と思いましたが、中盤までの雰囲気はよかったです。竹内結子の声や話し方がとても合ってた。だけに、本当にもっとたくさんの竹内結子作品を見たかったです。
原作は小野不由美さんの同名小説で、ホラー小説の中ではかなり好きです。いわくつき物件を調べていく主人公視点で描かれるのですが、起きた出来事を、淡々と書いていく文章にゾットします。モキュメンタリー的な作品です。
でもやっぱり人生で一番ビビったのは、ほん怖のショートストーリー『転ぶトイレ』です。会社のトイレで、なぜかみんな同じところで転んでしまう。何もないのに不思議だと話すOLたち。でもその中のひとりは、「私は絶対に転ばない」と心の中で呟く。なぜなら個室のトイレの前でうずくまる髪の長い女が見えているから…というオチです。うずくまってる女が、すごく怖かったのを覚えています。
と、書いている途中で思い出したのですが、世にも奇妙な物語2019秋の『恋の記憶、止まらないで』のほうが怖かった。斉藤由貴主演で、たしか歌の盗作がテーマの話です。鳥肌立つほどゾッとしました。こっちがNo.1ですね。呪詛の話から大きくそれました。
呪詛もいいんですけど、ぜひ『恋の記憶、止まらないで』観てほしいです。
中村 未来Nakamura Miku
千葉県習志野市出身の演劇ライター、シナリオライター。
玉川大学芸術学部卒業。
趣味は演劇鑑賞と漫画を読むこと。
東京都在住。
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