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- パフォーマンスユニットTWT『SANADA Ⅺ』〜前編・記憶〜
サナダイレブンと私
先週末、パフォーマンスユニットTWTの『SANADA Ⅺ(サナダイレブン)』を観てきました。
TWTとは、演出家で脚本家の木村孔三氏による個人ユニットです。
孔三さんは私の大学時代の先輩で、在学中は大変お世話になりました。卒業後は長らくお会いすることはありませんでしたが、こうして今も意欲的に舞台の活動をされていて「やっぱり!」とも思うし、さすがだなとも思います。
孔三さんといえば学部内でも屈指の有名人で、その名を知らない人はいなかったはずです。学生たちの中心となっていくつもの公演を成功させるすごい人でありながら、後輩からの礼節を欠いたコミュニケーションも広い心で受け止めてくれる。優しい先輩です。
そんな孔三さん率いるTWTが今回上演するのが『SANADA Ⅺ(サナダイレブン)』。
劇団S.W.A.T!が2005年に青山円形劇場で上演したお芝居のリバイバルです。
劇団S.W.A.T!といえば、昨年KOMATSUさんと観に行った『カレーライス』(※『3156(サイコロ)』)が記憶に新しいですね。
ちなみにこの『サナダイレブン』は、私が大学4年生のときに学園祭で上演した演目でもあります。
後輩たちと舞台に立つのもこれが最後かもれない。大学最後の学園祭での公演、悔いの残らないようにしようという熱い想いで臨んだキャストオーディション。
なんと落ちました。従って私は『サナダイレブン』には出演していません。
基本的に4年生は無条件で合格するものなので、現実を受け入れるまでに時間がかかりました。
あれから13年。まだ受け入れられていません。
当時研究室のアシスタントをしていた孔三さんも、演出助手としてキャスティングに関わっていました。私は尋ねました。どうして落とされたんですか? 孔三さんは答えました。
「だってお前、運動神経悪いじゃん?」
ちなみに、落選の理由を四大海には聞けませんでした。
ストレス耐性が振り切ってるんだろうな
Twitterにも書きましたが、私は人生で尊敬する人が約3人いて、そのうちのひとりが孔三さんです。その理由は、私が出会った中で恐らく最もメンタルが強い人物だからです。
学生時代、中心となって公演を作っていた孔三さんには、教授陣や同期、後輩など、ありとあらゆる方面からプレッシャーをかけられていました。
しかし、どれだけバチボコにやられてもまったくくじける気配のない孔三さん。普通の人だったらとっくに頭がおかしくなっていてもおかしくない状況なのに、孔三さんは最後まで正気を保っていました。
仕事やプライベートで凹むことがあったとき、いつも孔三さんを思い出します。
「あの人に比べたら私なんて全然」と思うと、勇気が出るのです。
少し話はそれましたが、そんなわけで『サナダイレブン』は私にとって思い入れの深い作品です。
同期(ヒロイン役)からの誘いも二つ返事でOKしました。
場所は吉祥寺シアターです。
劇場に入るとすぐに孔三さんを発見。尊敬しているので慌てて写真を撮りました。
顔は出さないでということだったので目線をしています。先輩の言うことは絶対に守らなければいけません。
SNSにUPしますと告げると、「どうせ罵詈雑言が来るからやめて」と言われました。「自覚あるんだな」と思ったら、うっかり声に出ていたようでちょっとだけドツカれました。
四大海も発見しました。昨年の『カレーライス』では直接話す機会がなかったので、今回お話できて嬉しかったです。
「カレーライス、観に行きましたよ!」と言うと、「ウォンウォン? ウォンウォン?」としきりに繰り返す四大海。マスクのせいもあって、まじで何言ってるか聞き取れなくて「え、どーしよ……」と固まっていたら、誰かが「BONBON!」と通訳してくれました。
「テアトルBONBONで上演した『3156』を観に来てくれたんだね!」と伝えてくれていたみたいです。そうです! 呂律の回らない先生も可愛くて大好きです(*^^*)。尊敬しています。
孔三さんの話が長くなったので後半へつづく
『サナダイレブン』は、その名の通り、真田幸村とその家臣、真田十勇士たちの物語です。
劇団S.W.A.T!らしい、殺陣あり涙ありで描く、アクションエンターテイメント時代劇です。
今をときめく人気の若手俳優さんや声優さん方が多数出演されるということで、楽しみにしていました。
対して私は、13年前、学内での公演で出演したキャスト陣とともに観劇です。
それぞれの青春時代を思い出しながら、舞台を見つめます。
孔三さんについて書いていたら長くなってしまったので、観劇の感想は、後編で書きたいと思います。
中村 未来Nakamura Miku
千葉県習志野市出身の演劇ライター、シナリオライター。
玉川大学芸術学部卒業。
趣味は演劇鑑賞と漫画を読むこと。
東京都在住。
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