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- 『だんドーン』33話〜モデルがいたんですね〜
『だんドーン』33話が公開されました。
川路のスパイとして暗躍していたものの、裏切りが発覚し、抹殺された犬丸。
の、息子・太郎がメインの回でした。
家族を失い、天涯孤独になった太郎を、今後どうしていくか思案する川路たち。
「商人にすべき」という川路案と、「山くぐり衆(忍び)にしたい」という伊牟田案。
どちらに向いているか見極めるべく、みんなで山に繰り出します。
伊牟田によると、薩摩の忍びは全国にも珍しい「半忍半武士」の集団だそうです。
多すぎる武士を藩が養えないので、いろんな仕事をさせるようになった結果、伊牟田もギリ武士だけど、忍び……であり、さらには医者である、三足のわらじスタイルになったそうです。
今まで伊牟田が一体なんなのか、いまいちわからなかったのですが、今回でようやく彼が何者かがわかりました。要所要所で見かけるなとは思ってたんです。
そんな伊牟田が、さりげなく今後登場するであろう、重要人物について紹介してくれました。
中村半次郎と田中新兵衛です。
どちらも、るろうに剣心のおかげで、ギリギリ名前を知っていました。
剣心のモデルになった河上彦斎を調べる過程で、恐らく知ったんだと思います。
半次郎も親兵衛も、幕末の四大人斬りのメンバーです。残る一人は岡田以蔵です。
そして、これまで数回登場し、存在感を発揮していたのが中村半次郎だということが判明しました。西郷どんに心酔していて、月光和尚を入水させたあの人ですね。ようやくスッキリしました。
さて、山歩きをした結果、太郎が忍びの訓練を受けていたことが判明。正直に話したら川路にも捨てられてしまうと思い、言い出せなかったそうです。可哀想に……。
でもその際の身のこなしや、知識の豊富さ、仲間を助ける思いやりを見込んで、伊牟田は太郎を山くぐり衆にスカウトします。
が、太郎のスペックの高さを見込んだ大久保利通が、自分の家に来て、妻の手伝いと子守をすることを要請。結果的に、太郎は大久保の家に身を寄せることになります。そして大久保家で、幸せに暮らしましたとさ。
……的な終わりに見せかけて、「間もなく時代の荒波に飲み込まれていくこととなる」と不穏なナレーションが続きました。
調べたところ、紀尾井坂の変で、大久保利通と一緒に暗殺された中村太郎がモデルのようですね。史実によると、捨て子だった太郎は大久保に拾われ従者となり、運命を共にすることになったようです。
紀尾井坂の変とか、中村太郎とか、幕末四大人斬りとか、歴史に詳しい人が読んでたら、「これかー!!」みたいな気持ちにさせられるんだろうな、『だんドーン』。
その昔、大学に講演に来た落語家が、「なぜ人が勉強するかというと、笑える要素を増やすためだ」的なことを言っていましたが、まさにこういうことですね。知っていると人生にサプライズが増えていく。
勉強は大事です。
そんなことを思わせてくれた回でした。
中村 未来Nakamura Miku
千葉県習志野市出身の演劇ライター、シナリオライター。
玉川大学芸術学部卒業。
趣味は演劇鑑賞と漫画を読むこと。
東京都在住。
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