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- 『月刊KOMATSU』②〜なんでもするから言ってくれ〜
続きです。
前回までのあらすじ
月刊KOMATSUで家族へのインタビューを企画するも、連絡手段がなく行き詰まった制作陣。しかし、後輩の「KOMATSUさんのお兄さんの電話番号を知ってるかもしれないです」の一言で、事態は急展開を迎える。
後輩からもらった電話番号にかけてみると、留守電でしたが繋がりました。携帯の番号はそうそう変わることはないだろうと踏んで、メッセージを残し待つこと数時間。折返しがないので、再度電話をしてみると、なんと繋がったのです。
兄「あ、メッセージ聞きました。はい、妹のためにありがとうございます」
いいお兄さんだなと思いました。企画へのご協力を打診したところ、快くお引き受けいただきました。会ったこともない人間から電話が来るだけでも気味が悪いのに、急なお願いもきいてくださり、本当にありがたいことだと思いました。しかし、お兄さんがご多忙だったため、なかなかスケジュール調整がつかず、このままでは、ページが飛ぶという段階まできてしまったのです。ページ数が足りないのでは、完成しない。そこで、お兄さんとの対談企画が駄目になったときのことを考え、新たな目玉企画を用意することになりました。
候補は2つありました。
一つは、KOMATSUが大学時代、一番好きだった先生にコメントをもらう
もう一つは、KOMATSUが大学時代、一番嫌っていた同期にコメントをもらう
私は悩みました。お祝いであることを考えたら、一番好きだった先生からコメントをもらうべきです。ただ、心はもう、決まっていたのです。友人が学生時代、一番嫌っていた…いや、確執があった人物にコメントをもらったほうが、どう考えても面白いと思ってしまったのです。念の為、協力者たちにも意見をもらいました。皆、気持ちは同じでした。そうして私は、その人物に連絡をしたのです。
確執のあった人物、H氏と連絡を取るのは、恐らく、10年ぶりくらいでした。卒業後、何度か会ったような気がしますが、なんとなく疎遠になっていたのです。久々に私から連絡がきたH氏は、若干怪しんでいたように思えました。しかし、企画について話すと、驚いたことに
「なんでもやるから、言ってくれ」
と、言うではありませんか。H氏はH氏で、KOMATSUに対して思うところがあったようです。こうなったら、その周辺の関係者にも話を聞こうと思い、急遽、座談会を開催することになりました。
つづく。
中村 未来Nakamura Miku
千葉県習志野市出身の演劇ライター、シナリオライター。
玉川大学芸術学部卒業。
趣味は演劇鑑賞と漫画を読むこと。
東京都在住。
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