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- 『ワイルドビーチ木更津』〜何が怖いかは人それぞれ〜
レンタル料金はよく見たほうがいい
少し前ですが『ワイルドビーチ 木更津』に行ってきました。キャンプ場です。おしゃれなグランピングが楽しめます。
サイトからもおしゃれな雰囲気が伝わってくると思います。なかなか人気のようなので、3ヶ月前くらいに予約を取りました。部屋とBBQグリルセットのプランです。
こちらのキャンプ場は、必要なものは現地で借りられるので、手ぶらでOK! というのが売りです。なので何の準備もしていませんでしたが、前日の夜になんとなくHPを確認してみたところ、レンタル品には全部料金がかかるとのことでした。よく考えればわかることですが、頭からすっぽ抜けていました。しかも、なかなかいいお値段。
バスタオル330円、包丁&まな板セット330円、紙皿330円、カセットコンロ1100円…必要なもの全部揃えようと思ったら、利用料金と同じくらいかかりそうだ。というわけで、必要なものは借りずに全部自宅から持ち込むことにしました。包丁、まな板、菜箸、皿、コップ、カセットコンロ、洗剤、スポンジ、アルコールスプレー、調味料とにかくすべてです。
普通のバッグだと到底入らないので、旅行用のキャリーケースに入れました。ティファールを入れるかは最後まで悩みましたが、結局持っていくことにしました。
当日、車を借りて、トランクに荷物を全部詰め込みます。友人をピックアップしたら、いよいよ出発です。4人旅です。
昨年、1年かけて練習し、ペーパードライバーを返上したかいがありました。木更津なので、都内からアクアラインに乗ればすぐ到着します。しかしレンタカーに乗り込んですぐに私は気づきました。「この車、カーナビがついてない」。ナビがついてない車を借りてしまった。そのためアクアライン乗るまでかなり遠回りした。結果、40分くらいで着くところ、1時間20分くらいかかりましたが、許容だったと思います。
ランタンを使わなければいけないという思い込み
アクアラインを降りると、本当にすぐのところにワイルドビーチはあります。木更津アウトレットのほぼ隣です。15時のチェックインに合わせて受付に向かったのですが、先客がいる。2つの窓口が埋まっている。これはキャンプ場あるあるだと思うのですが、受付にやたら時間かかるんですよね。説明することが多いから。15分くらい待ってやっとチェックイン。
グランピングといいましたが、私たちが泊まったのは家です。広さや快適さ考えたら、テントとかトレーラーハウスよりも、断然家がいいと思いました。早い話が、ホテルです。
室内は写真そのままの空間で大変おしゃれ、綺麗でした。
一階にバスルームとトイレ、螺旋階段を登ったところにBBQテラスがあり、部屋へとつながっています。
受付のお姉さんから、「螺旋階段は22時には消灯するので、お部屋のランタンをお使いください」とアナウンスを受けます。おしゃれ感を売りにしているだけに、利用客は若者が多く、深夜の騒音がたびたびトラブルになっているようです。消灯はそのための措置だと思われます。ただ、幸か不幸か、私たちが泊まった夜は、朝まで大雨だったので、外で騒ぐ若者は1人もいませんでした。車で10分くらいのとこにあるスーパーへ向かい、食料を調達。BBQのスタートです。
火の起こし方が若干不安でしたが、借りたグリルは使い方が簡単だったので難なくクリア。スーパーで買った一等いい肉を食べました。大人のBBQなので、暴飲暴食はしません。ティファールが結構使えたので、持っていって正解だった。
テラスからはアウトレットの観覧車が見えます。
お風呂も広くて綺麗だったのですが、一つ問題だったのは、螺旋階段の移動です。外から吹きさらしなので、雨がめちゃくちゃ入る。そのうえ22時以降は消灯するので真っ暗闇。お姉さんに言われたとおり、ランタン片手に移動しますが、雨で足場がすべるので怖い。ランタンは一つしかないので、1階に用があるときは、基本全員で移動します。
「もう少しランタンこっちよせて!」
「足元見えない」
「滑る!滑る!」
薄ぼんやりとしか光らない1つのランタンを奪い合いながら、移動を繰り返します。
スマホの懐中電灯を1人ずつ持っていけばいいと気づいたのは、結構経ってからでした。
当然ですがスマホのほうが倍光りました。
お姉さんの話を聞いた私たちは、なぜか「ランタンしか使ってはいけない」と思い込んでいました。いや、思い込まされていたのです。思い込みって怖いですね。
虫とかどうでもよくなるくらい怖い話
さて、キャンプ場で気になるのが虫被害です。私たちの部屋も外とつながっているので、当然出ます。一階のバスルームの片隅に彼はいました。でもまったく動かないので、スルーすることにしました。
夜も更けた頃。私たちはキャンプ場でお決まりの怖い話をはじめました。外は大雨。部屋は薄明かり。シチュエーションもあいまって、なんでもない話でもいつもより数段怖く感じる。特に友人が話した『髪の毛を食べる女』はあまりに不気味で、私はゾッとしていまいました。
青ざめる私の真横を指差して、友人は叫びました。
「ゴキブリいる!」
普段だったらパニックを起こしていたと思いますが、こっちは怖い話の余韻でそれどころじゃありません。今はゴキブリよりも髪の毛を食べる女のほうが怖い。
「え? ゴキブリいるんだよ……? いいの……?」
ひとり騒ぎ続ける友人を見て、何を怖いと思うかは人それぞれなんだなと感じました。結局、ゴキブリはそのあと倒しました。
無事に朝を迎え、帰りは海ほたるを堪能しました。
こうして私たちのキャンプは終わったのです。
最後の最後、自宅マンションの入り口で、ネズミの死骸を見つけました。ちょっとだけ呪われたなと思いました。
中村 未来Nakamura Miku
千葉県習志野市出身の演劇ライター、シナリオライター。
玉川大学芸術学部卒業。
趣味は演劇鑑賞と漫画を読むこと。
東京都在住。
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