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- 水谷千重子50周年記念公演『大江戸混戦物語 ニンジャーゾーン』〜後編・船と氷山〜
水谷千重子50周年記念公演の初日レビュー後編です。
前編はこちらからどうぞ。
※激しくネタバレなので、まだ観に行っていない方はお気をつけください※
真骨頂はここからだから
第一部は、忍者たちの激しい混戦を描いたお芝居でした。
ところが「感動した!」という私にKOMATSUさんは、「千恵子さんの真骨頂は後半の歌謡ショーだから」とこともなげに言うのです。
前半だけで結構お腹いっぱいになったんだけど、真骨頂は後半だと?
ちなみに我々は2階席のこのあたりに座っていたのですが、トイレへの導線は非常にスムーズでした。
2階席は、建物的に4階にあたる部分です。女性用トイレは2箇所あり、そのうち広いほうは我々が座っていた下手側にあります。休憩中にスッと出て、右に向かって歩けばすぐにトイレです。メモ_φ(・_・
シンクロニシティふたたび
パンを食べ終わり「さっきの水谷千重子さんコスプレの方、どこに座っているかな」と何気なく言うと、即座にKOMATSUさんが「あそこにいるね」と一階席の前列に見つけていました。すごくないですか?
舞台『エヴァンゲリオン』を観に行った話をしていると、第2部「千重子オンステージ」がスタート。すると一曲目がなんと高橋洋子さんの『魂のルフラン』。エヴァの話をした直後にこれってシンクロニシティですよね? やはり私はこの公演に導かれていたのだ。
さて、千恵子さんの歌ですが、生歌めっちゃくちゃ上手かった! TV越しに何度も聴いてたけど、やっぱり上手いな!
そんでもって生バンドがいることにも驚きました。MCのときに話していましたが、通常はカラオケみたいです。しかし、明治座創業150周年記念事業のなかでの公演だったので、気合いを入れて生バンドで臨まれたとか。見応えある〜。
二曲目はオリジナルソングの『愛が冷めたわけじゃないの』だったと思います。
二葉・マッキー・敬之さんの作詞作曲です。はじめて聴きましたが良い曲だと思いました。なんでも更年期の女性を歌った曲だそうです。歌詞が素敵ですね。
「オリジナルソングばっかりだと皆わからないと思うので」と仰っていましたが、私はオリジナルソングも好きだと思いました。
日替わりゲストは倉たけし
具体的なセットリストは忘れてしまったのですが、何曲か歌ったあとに日替わりゲストの登場です。初日は倉たけしさん!
動画でも御崎進さんと派手にやり合っていましたね。彼もテレビで一回、二回、観たことがあるような。
2階席でもわかるくらい倉たけしさんでかい。(゚Д゚)なんというか分厚みがある。
水谷千重子さんの50周年を記念して、アスパラガス的な野菜のブーケを持ってきてくれました。
倉たけしさんが出てきた瞬間からいよいよ笑い止まらなくなってお腹痛かった。
倉たけしさんは、自らを育ててくれたオヤジ・八代目への想いを歌った『感謝』と、「めちゃくちゃ盛り上がる」と噂の中国の曲『変面』を歌ってくれました。
万感の思いで『感謝』を歌い上げている途中、どこからともなく声が……。なんと客席に八代目がいたんですね。突然スポットライトを当てられて八代目もかなり驚いていました。まさか自分が八代目になるなんて、という気持ちだったことでしょう。この一連のくだりもお腹痛かった。
『変面』は普通にパフォーマンスがすごくて、それもまた笑いました。
最後に水谷千重子さんと二人でデュエットをしてくれました。
圧倒的な声量と存在感で、水谷千重子さんの50周年を盛り上げてくれた倉たけしさん。
生で拝見できてよかったです。『はねるのトびら』世代としても嬉しかったです。グローバルストーンも黒族も大好きでした。
全然知らない映画が流れ出す
そのあとはまた千恵子さんのオンステージに。覚えている限りでいうと、
工藤静香 『Blue Rose』
椎名林檎 『歌舞伎町の女王』
中森明菜 『DESIRE -情熱-』ほか
高橋真梨子『五番街のマリーへ』
本田美奈子. 『つばさ』
を歌っていたと思います。オリジナルソングからは『人生かぞえうた』。
どの歌も良かったのですが、『五番街のマリーへ』は大胆に歌詞を間違えてしまった千恵子さん。しかし即座に違う歌詞でカバーし、まったくミスを感じさせない堂々たる歌いっぷりは、さすが芸歴50年の大御所だなと感じました。
今回オリジナルグッズとしてペンライトが売られていたのですが、購入者が少なく、まばらな光が笑えました。2階からだとよくわかります。多分30本くらい。でも歌に併せて色を変えているのが楽しそうだったので、買っとけばよかった。
そして「今回は洋楽に挑戦しました。皆さんもよくご存知の洋画の主題歌です。特別に映像を観ながら聞いていただきます」という紹介で、セリーヌ・ディオンの『My Heart Will Go On』が流れ始めました。
「なるほど、『タイタニック』ね」と思いながらわくわくしていると、スクリーンに映し出された映像は私が想像していた映画ではありませんでした。
まずキャストが千重子さんと倉たけしさんだし、大型客船ではなく屋形船。どう見ても東京湾。知らなかったのですが、2018年に国産洋画劇場『船と氷山』という作品が発表されていたのですね。
笑いが止まらなかったのですが、クライマックスで雀(ジャック)が静かに東京湾に沈んで行くシーンでなぜか私泣いてました。シンプルに『タイタニック』と重ねて「そうだ、ジャック死ぬんだ」と悲しみが込み上げて来たのです。笑いすぎて感情がバグったのをKOMATSUさんに気づかれたくなくて、バレないようにそっと涙を拭きました。
こうして第2部「千重子オンステージ」も幕を閉じました。
多分もっと書くべきことあるんだけど、迫力のせいで記憶が飛んでいます。誰か補足してほしいです。
11時にはじまり終わったのは15時。その間、芝居をやって、歌やって休むことなくMCやってって、千恵子さんタフすぎませんか? 私だったら一回やったら3日寝込むと思うのですが、恐ろしいことに夜の部もあるし、まだまだ公演は続く。プロって本当にすごいですね。
ちなみに家に帰ってから『船と氷山』を調べたら、You Tubeで限定公開していました。限定と言いつつ、すでに4年経ってる。全編観てみようと思います。
誘ってくれたKOMATSUさん、ありがとう! 2回めも観に行けていいな〜御崎進さん私も見たかっな〜。来年も誘ってください!
中村 未来Nakamura Miku
千葉県習志野市出身の演劇ライター、シナリオライター。
玉川大学芸術学部卒業。
趣味は演劇鑑賞と漫画を読むこと。
東京都在住。
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