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大森カンパニープロデュース人情喜劇シリーズ第12弾『おうけつ』〜おうけつって何だと思う?〜

2023.01.10

下北沢は迷宮

12月最後の観劇は、大森カンパニープロデュースvol.41人情喜劇シリーズ第12弾『おうけつ』
でした。大森カンパニーは、主宰の大森ヒロシさんが、自らの目指す喜劇を創作するために2009年に立ち上げた個人カンパニーです。
https://www.omoricompany.com/


『Candyboyクリスマス公演2022』のお仕事でご一緒した、演出家で俳優の横山清崇さんが出演されるということで、行ってきました。

下北沢は、来るたびに駅も町も変わっている気がして驚きます。下北沢といえば、十数年前の大学時代によく来ました。アジアンファッションにかぶれていた黒歴史を思い出すので、少しだけ呼吸が苦しくなります。下北沢には劇場がいくつもあるので、まっすぐたどり着くことはないのですが、案の定、今回も間違えました。

下北沢小劇場B1に行くはずが、着いたのは「劇」小劇場。よくある間違いのようで、入り口に「下北沢小劇場B1はこちらです」という注意書きの上、ご親切に地図もあったので、迷った方はここを見るといいと思います。下北沢小劇場B1は、北沢タウンホールという施設の地下にあります。

すでに会場しており、受付前はお客さんで賑わっていました。お花もたくさんあって景気がいい感じがします。

舞台セットが、なんかいい雰囲気で素敵でした。

開演して、キャストの本間剛さんが話し出すのと同じタイミングで客席に笑いが出たので、驚きました。まだ一言しか喋ってないのに。

人情喜劇って年末にぴったりだな

あらすじはこちら。

山奥にあるひなびた温泉宿が舞台。やってくる宿泊客は、みんなクセ強め。
若者から支持を集めるインフルエンサーと事務所の社長、老齢の国会議員と付き人。
好き勝手する宿泊客に、従業員たちはてんやわんや。
するとそこへ、宿のオーナーの娘と名乗る女性がやってきて……。


序盤は笑いたっぷりで進んでいきますが、中盤から様子は一変。オーナーの娘が宿に帰ってこないというトラブルが発生します。無事見つかったものの、彼女は誰にも言えない悩みを抱えていました。

甌穴(おうけつ)とは、川底の岩盤にできる円形の穴だそうです。川の小さな割れ目やくぼみに小石などが入り、川の流れの過流で川底から削られ大きな穴になります。数万年単位の時間を要し、大きさは数センチから数メートル、深さは数十センチから数十メートルに及ぶとか。最初は気づかないくらいの小さな穴だったのが、時間が経つにつれて、どんどん大きな穴になっていく甌穴を心の傷になぞらえています。

心に傷を抱えているのは彼女だけではなく、ほかの宿泊客も従業員も、みんな大なり小なり傷を抱えて生きています。悩みも人それぞれで、亡くなった身内に対する後悔だったり、病気になった親の介護だったり。誹謗中傷に悩むインフルエンサーなど、今どきの設定も盛り込まれていました。

悩みを打ち明け合うシーンでは、シリアスな時間が続きますが、合間合間に笑いが入るので、安心して観ていられました。ずっと緊張感あると疲れますよね。第三者に話すことで心の傷を癒やした宿泊客らは、またそれぞれの場所へと帰っていきます。そして宿には次のお客様が来るのです。

観劇して思ったのは、ほっこり人情喜劇っていいよねってことです。年末の慌ただしい時期に、いいもの見せてもらいました。芝居もどこまでがアドリブなのかわからないくらい自然でイキイキしていたので、よかったです。

今回は年末の人情喜劇でしたが、大森カンパニーでは「更地」シリーズなるものがあって、そちらはガチガチのコントらしいので次回も観に行きたいと思います。楽しみです。

PROFILE
演劇ライター 中村 未来

​中村 未来Nakamura Miku

千葉県習志野市出身の演劇ライター、シナリオライター。
玉川大学芸術学部卒業。
趣味は演劇鑑賞と漫画を読むこと。
東京都在住。

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