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劇団四季『アナと雪の女王』〜サウナーの舞い〜

2022.09.14

2022年一番楽しみにしていたイベント

9月某日、劇団四季『アナと雪の女王』を観賞してきました。一緒にいったのは、おなじみ地元の友人ハルカさんです。ハルカさんは、劇団四季を観るのは今回がはじめて。私は劇場まで張り切ってエスコートします。そして間違えました。うっかり通り過ぎて、別のビルを目指していましたが、ハルカさんの「あの建物に劇団四季って書いてあるよ」という言葉で気づきました。

会場である四季劇場【春】は、複合施設「WATERS takeshiba(ウォーターズ竹芝)」の中にあります。特徴的な外観なので、写真を観ておくといいと思います。「商業施設の入り口かな?」と、思ったら、そこが劇場の入り口です。思っているよりも、手前にあると覚えておいてください。

建物に入ったら、エスカレーターを上がっていきます。登った先が目的地です。すでに会場ロビーは混み合っていて、グッズの販売所も10人くらい並んでいました。グッズも気になりましたが、終演後のほうが空いているので、まずは、ポスタービジュアルと本日のキャスト表を撮影します。これらを撮影するのにも、少し並びました。

それからパンフレットを購入。一部2000円です。劇団四季のプリントが入った手提げに入れてもらえます。キラキラ加工の入った、厚みのあるパンフレットです。ハルカさんが、「それ光るやつじゃん!」と興奮していましたが、別に光ったりはしません。

さて、時間も迫っていたので、さっさと席につきます。四季劇場【春】は、客席数約1,500席のデカ劇場ですが、それがほぼ満席でした。『アナ雪』の東京公演が開幕したのは、2021年6月24日で、1年ちょっと前。それでもいまだにこの人気ってすごい。

ちなみに、私たちがチケットを取ったのは、今年の3月でした。S1席の並びでチケットを取るには、9月公演しかなかったのです。半年間、待ちわびた公演。2022年の一大イベントといっても過言ではありません。コロナ罹患に被らなくて本当に良かったです。

私たちの席は、1階席23列目19,20です。

やや下手側ですが、ほぼセンターでした。ただ、思っていたよりもステージから距離がある。S1席といえど、デカ劇場なので仕方ありません。

私は『アナ雪』は、映画を一度観ただけ。ミュージカルに関しては、今回NO知識で挑みました。あらかじめ内容を知っている場合は、演出を最大限楽しみたいタイプです。なので、この先はミュージカル『アナ雪』のネタバレがあります。ご了承ください。

冒頭のヤングアナの髪色はどう変化したのか?

いよいよ幕が上がります。オケピから指揮者が見えて思い出しましたが、そういえば『アナ雪』はオーケストラの生演奏でした。生演奏でミュージカル観るのはかなり久々な気がします。第一幕は、ヤングエルサと、ヤングアナからはじまります。映画の通りです。オーケストラの音楽と、美しい舞台装置に、早くも感動で涙が出そうです。そういえば、ミュージカルオタクのS子から、唯一聞かされていた事前情報がありました。

「ヤングアナが、魔法をかけられて一瞬で髪が白くなるシーンがあるから、どうやってるのか確認してきて。多分、ウィッグを引っ張って外してるんだと思う」

恐らく、その通りウィッグを引っ張って外すという仕掛けなのだと思うのですが、残念ながら私の席からは確認できませんでした。気づいたら白くなっていたし、そもそも、本当にそうなのかすらわからない。そんな距離感です。

エルサを助けるために、『キングダム』の山の民みたいな人たちがたくさん出てきます。映画を観たのが遠い昔なので覚えていないのですが、どういうキャラクターだったかな。 

そうこうしているうちに、エルサとアナの両親が海難事故で退場。このシーン、映画では驚くほどあっさりしていた記憶があります。唐突に船が沈んで終わり…とかだったような。舞台版では、コンテンポラリーダンスみたいになっていました。両親を失ったエルサは、己一人で秘密を抱えて生きていかなければいけません。常時手袋をつけて「何も感じない」と自分に言い聞かせます。

が、アナの「今日会った人と結婚します!」宣言を受けて、思わず魔法を発動。エルサの煽り耐性がもう少し高ければ……! と思いますが、王女になったプレッシャーもあって、きっといつもより冷静ではいられなかったんだと思います。山に逃げ込んだエルサを探すため、アナとクリストフが追いかけます。


そこでオラフに出会います。オラフは、ライオンキング的な人形を持ってキャストが演じます。オラフを演じていたのが女性キャストだったので驚きました。おじさん声を想像していたからです。でも女性が歌うオラフの歌も可愛い感じがしていいですね。

一方、エルサは誰もいない雪山の中で、自由を手に入れます。そして今作品、一番のハイライトであるナンバー「ありのままで」の歌唱が始まります。セリフも出番も歌も間違いなくアナのほうが多いのですが、やはり役者ならみんなエルサを演じたいんだろうなと思うほど、圧巻のステージでした。

サビの一番盛り上がるところで、唐突にエルサのドレスが代わります。早着替えです。周りの観客が何人かびっくりしているのがわかりました。すごい迫力だし、装置は綺麗だし、本当に感動してここでもまた涙が。

そして第一幕が終わり、休憩です。ハルカさんから「なんでそんなに泣きそうなの?」と言われましたが、むしろ今のステージを見て涙が出ないほうが不思議です。ハルカさんは何も感じないのでしょうか?


と言いつつも、ハルカさんもかなり感動していたようで、「第二幕の最初に、これまでのダイジェストとしてもう一回第一幕をやってほしい」という画期的なアイデアも提案していました。ところで、「アナ雪にバジオウなんていたっけ?」とハルカさんに聞くと、「映画では多分石だった」と言われて、思い出しました。そうえば、喋る石が出てきたな。

サウナーが踊る第二幕

第二幕のはじまりは、オーケンのナンバーからでした。このオーケンが素晴らしく歌が上手かったです。今回のキャストさんの中では一番好みの歌い方でした。


メインボーカルを務める「ヒュッゲ」では、サウナから飛び出してきたサウナーたちと共に歌います。
『ゴールデンカムイ』でいうところのバーニャですね。サウナーの方々が、ヴィヒタという、白樺の枝をまとめた草的なものを持って踊るのです。可愛い。

そしてクライマックスでは、力が暴発したエルサが、アナを氷漬けにしてしまいます。そこでの演出に、プロジェクションマッピングを使っていたのですが、本当に氷、というか岩のように見えて、すごいです。

ところでプロジェクションマッピングによる演出は、氷の城の再現など、いたるところで採用されていました。舞台上で使うと、3Dのように見えて没入感というか、とにかく画面が派手になります。プロジェクションマッピングが導入される前に上演されていたら、どんな演出になっていたのかもちょっと気になりました。

そして最後は、真実の愛の力を知ったエルサによって、アナも助かり、国中を覆っていた氷も解けていきます。ハッピーエンドです。カーテンコールは4回で、最後はみんなスタンディングオベーション。
観た直後から、もう一回観に行きたいと思いました。今回のキャストさんも素晴らしかったのですが、別のキャストさんと見比べるのも劇団四季の醍醐味です。ハルカさんも大満足のようで、帰りにショップでハンカチを購入していました。私も時期を開けて、リピートしたいと思っています。

なお今回のキャストさんは以下の通りです。お気に入りのオーケンは竹内一樹さんでした。

終演後、ご飯を食べようと思ったけれど、浜松町はどこも小洒落た店ばかりだったので、新橋まで行きました。さっきまで『アナ雪』の幻想的な世界にうっとりしていましたが、新橋のガード下の灯りも、びっくりするほど魅力的なのでした。

★予習ポイント★
・映画『アナと雪の女王』を観ればOK

★復習ポイント★
・『HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル』シーズン5を軽く観てみる

PROFILE
演劇ライター 中村 未来

​中村 未来Nakamura Miku

千葉県習志野市出身の演劇ライター、シナリオライター。
玉川大学芸術学部卒業。
趣味は演劇鑑賞と漫画を読むこと。
東京都在住。

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