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- 角川文庫の思い出〜江國香織と山本文緒〜
来月、本村より先生のラジオにゲストとしてお邪魔させていただきます!
R’s Message Vol.45
金曜20:00からFMプラプラ(アプリ)よりTOKYO854 くるめラ
こちらのURLからも視聴できます→https://fmplapla.com/fmhigashikurume
※より先生についてはこちらの記事から↓
より先生の楽しいミュージカルライフ!:創立編
より先生の楽しいミュージカルライフ!:資金繰り編
より先生の楽しいミュージカルライフ!:集客編
テーマは「面白いとはなにか」。
引き続き、面白い何かを探す回です。
角川文庫の思い出
2000年代にティーンを過ごした私にとって、当時すごくHOTだったのが角川文庫です。表紙とタイトル見て、「なんかこれ良さそうだな」と思うのは大体、角川文庫。
女性向けの小説が相当強かった印象です。
実際のところはわかりませんが、売上もかなり良かったんじゃないだろうか。
当時の言葉風にいうと「OLさんが電車の中でささっと読める文庫本」が人気だったと思う。
特に私の心に刺さったのが、江國香織さんと山本文緒さんです。
最初に読んだのは山本文緒さんの『きっと君は泣く』でした。
多分小学生だったと思うのですが、本屋でジャケ買いした記憶です。globeの曲に共感していたのでませていたのだと思います。
ものすごく美人で、それだけが取り柄の主人公・椿が、年齢を重ねるごとにどんどん焦りを感じていくお話。
性格もねじ曲がっているので、友達もいない。いるのは、腐れ縁的セフレだけ。
そんな椿が目をつけたのは、ちょっと気弱なお医者さん。自分のプライドを守るため、医者と結婚することを画策するのです。
普遍的な価値観!!!!!!
今の価値観と決定的に異なるのは、椿の年齢設定が23歳ってことでしょうか。23歳で焦りを感じるなんてそのへんは1997年らしいのかもしれません。
さて、お医者さんにあらゆる手でアプローチする椿でしたが、自分の美しさがどうも通用しないばかりか、尊敬する祖母の認知症によってどんどん歯車が狂っていきます。
結末も含めて、どのシーンも強烈に覚えています。看護師の魚住さんがいいキャラなんだ。
ひょっとすると、私の中のヒロインの原体験は、椿かもしれません。これ読んで以来、今に至るまで、美貌のツンデレに翻弄されたい願望が消えない。
残念ながら、山本文緒さんは2021年に病気で亡くなられました。
病気になられる直前頃から、精力的に新作を出していたので、本当に残念な気持ちです。
いつかインタビューしてみたかったのですが、とうとう叶いませんでした。
買ってみたいな、エルメスのボストンバッグ
江國香織の『落下する夕方』もジャケ買いしました。
好きすぎて、後々、原田知世主演の映画DVDも購入しました。
この作品も、華子というミステリアスな女が、周囲の人間を振り回す作品です。
8年付き合って同棲までしていた恋人の健悟を、突如現れた華子という女に奪われた主人公の梨果。そんな梨果の家にやってきたのが華子。「家賃が大変でしょ」という理由から、家に住み着きます。
最初は嫌がる梨果でしたが、華子さえいれば健悟との繋がりも途切れることはないと考え、同居を許してしまうのです。
ところが一緒に暮らすうちに、梨果は奔放な華子から目が離せなくなっていきます。
江國香織さんらしい、アンニュイで気だるくて、でも詩的な表現がたくさん詰まった素敵な小説です。
華子に憧れて、いつかエルメスのボストンバッグ一つで生活してやろうと思っていますが、いまだ実店舗にも怖くて入れません。
そんでもって、エルメスのボストンバッグっていくらするのでしょうか??
華子はきっと誰かに買ってもらったんだろうな。
この2冊は、いまだに私の心のバイブルです。
今更ですが、青春時代に強烈な影響を与えてくれたKADOKAWAさんと、大人になってお仕事させていただいてることに気が付きました。ありがとうって伝えたいです。
次回は嶽本野ばらさんの作品について思い出してみようと思います。
中村 未来Nakamura Miku
千葉県習志野市出身の演劇ライター、シナリオライター。
玉川大学芸術学部卒業。
趣味は演劇鑑賞と漫画を読むこと。
東京都在住。
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