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舞台『メディア/イアソン』後編〜こういう人、ギリシャにもいたんだ〜

2024.04.02

『メディア/イアソン』後編です。

恐ろしいことが発覚しました。

先日UPした『メディア/イアソン』前編で、

「毎回ギリギリ到着で、チケットの発券で手間取る私ですが、今回は早めに出発。なんと会場の10分前に到着するというじつにスムーズな道中でした。

早めに着いたのでキャロットタワーを散策してみると、3コインズやカルディなどの雑貨屋さんや、ユニクロやカフェなど衣料品店や飲食店も入っていて、楽しめる施設でした。ギリギリ到着だったら、こんなに巡れなかっただろうな。

というふうに書きました。

いつもだったらギリギリ到着で慌ただしいのに、今回は大成功☆

という気分でいたのですが、肝心の目的地の記述が間違っていました。

これは間違いで、正しくは

御茶ノ水じゃない、三茶。
“茶”間違い。コメントをくださった方がいて、はじめて気がつく。

文章の中では、やっぱりたどり着くことができませんでした。

とにかく間違えないといられない、そんな性分なんだと思います。

間違えた部分は、ライターらしく赤字にしておきました。己への戒めです。

さて、気を取り直して本編です。

2つの作品が合体した内容になっています

今回座ったのは3階席のこのへん。

後ろに人がいないと、気楽です。

劇場自体がそんなに大きくないので、3階席でも舞台からめちゃくちゃ遠いって感じはしません。

天井が近いのですが、青空のイラストが施されていて、ほっこりします。ここは屋外のイメージなんだな??

今回の『メディア/イアソン』の舞台は、2つの物語で構成されています。

前半がアポロニウスの『アルゴナウティカ アルゴ船物語』
後半がエウリピデスの『メディア』

アルゴ船物語は、イアソンが金羊毛を手に入れるため、船で大冒険に出るストーリーです。旅先で出会ったメディアと恋に落ちる、いわば『メディア』の前日譚として描かれています。

で、後半になって、『メディア』の愛憎劇へと繋がっていくわけです。

やはり、クライマックスの後半が盛り上がる部分かな……と思っていたのですが、前半から結構飛ばした内容でした。私は特に、終始激情に駆られるメディアを見ているのが面白かったです。

☆金羊毛をゲットしに、大航海の旅に出るイアソン☆

叔父上の嫌がらせに遭って、唐突に旅に出されるイアソン。「海の向こうにある太陽の王国アイアに行って、王様から金羊毛を奪ってこい」と無茶振りされます。カムバック不可能な死の旅に出されるのです。

そもそも金羊毛ってなんだろう? と思いましたが、ギリシャの物語だから、なんかそういうアイテム的なものなんだろうな……。

ご機嫌でイカれた仲間たちの助けもあって、イアソンはなんとかアイアに到着。

そして、国のお姫様であるメディアと運命的に出会います。

運命的に出会うと言いつつ、じつは、メディアの一方的な一目惚れでした。少なくとも、このお芝居ではそう描かれていた。

直前まで「月の女神に一生付いていく☆(意訳)」とか言ってたくせに、王様と喋るイアソンを見て、たちまち恋に落ちてしまうのです。その恋の落ち方も独特で、「命賭けます」くらいに熱く滾っている。

恐らく原作では、もっと2人のやり取りとかが入っているのでしょうが、一人で浮かれまくって、病み始めているメディアが面白かったです。

☆イアソンのために、弟を切り刻んで海に捨てるメディア☆

メディアが一人心乱している一方、イアソンは、ここでも王様に無茶振りをされていました。

金羊毛がほしければ、巨人とか青銅の足を持った雄牛とかと戦えと言われます。

困り果てたイアソンを見たメディアは、悩んだ末、手助けすることを決めます。

じつはメディアはお姫様でありながら、特別な力を持った魔女でもありました。なので、イアソンが金羊毛をゲットするのを手伝うことなど、お茶の子さいさいだったわけです。

しかし、イアソンを助けるということは、すなわち父親を裏切るということ。この時点で、メディアはイアソンに人生を捧げることを決意しているのです。なんて過激な女なんだ。

結局、父親を裏切るどころか、追ってきた弟をバラバラにして海に捨ててしまいます。

大恋愛のように見えるけれど、どこまでもメディアの一方通行、一人祭り状態にように見えました。イアソンはあんまり意志ない。「あ、助けてくれてありがとう」くらい。

この始まり方を見る限り、もう2人の未来に暗雲が立ち込めていることが感じられますね。

☆結婚12年、若い女に乗り換えられて捨てられるメディア☆

ここから、エウリピデスの『メディア』に入っていきます。

イアソンとともに、縁もゆかりも無い国へとやってきたメディア。3人の子供に恵まれます。

が、イアソンは段々とメディアへの愛を失っていくのです。やっぱりなというしか……。むしろ12年もよく持ったほうなんじゃないか。

政治的な策略から、国の若いお姫様と結婚することにしたイアソン。悪びれることなく、あっさり妻子を捨て去ります。井上芳雄さんのクズの演技がとても良かったです。

嫉妬に狂ったメディアは、イアソンへの復讐のため、毒を使ってお姫様とその父親を殺害(←このあたりは魔法の力もあるようです)。

もっとイアソンを苦しめるため、幼い我が子3人までも手に掛けます。

ドラクロワが描いた『怒れるメディア』には、子供は2人しかいませんが、伝承によって子供の数はひとりだったり、2人だったり変わるんだそうです。今回は脚本のフジノサツコさんの意向により3人でした。

なんとも言えない最悪な結末。最初から最後まで、勝手に盛り上がるメディア。
いわゆる女の嫌なところを煮詰めたようなってやつ。

こんなやつ身近にいたらまじで嫌だなって思うけど、こういう人いますよね。ギリシャ時代から普遍の人間像なんだろうな。

ストーリーが思いの外面白かったので、長くなってしまいました。

後編といったのに。

次回、最終回でさらに内容に触れたいと思います。あとパンフレットについても。

続きます。

PROFILE
演劇ライター 中村 未来

​中村 未来Nakamura Miku

千葉県習志野市出身の演劇ライター、シナリオライター。
玉川大学芸術学部卒業。
趣味は演劇鑑賞と漫画を読むこと。
東京都在住。

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